ブログBLOG
予防歯科への取り組みが重要!歯と健康寿命の関係について
こんにちは。
京王井の頭線「久我山」駅北口から徒歩1分の、【森山歯科医院】です。
近年、「予防歯科」という言葉をよく耳にするようになりました。
予防歯科とは、むし歯や歯周病になってからの治療ではなく、予防に重点をおいたケアのことをいいます。
予防歯科に取り組むことは、歯やお口が健康になることはもちろんのこと、身体の健康とも深く関わりがあるのです。
今回のコラムでは、予防歯科と健康寿命の関係についてお伝えいたします。
森山 明英 院長
医院名:医療法人社団 信英会 森山歯科医院
所在地: 〒168-0082
東京都杉並区久我山5丁目8−20 B1-C ポスタンド
Contents
歯が多いと健康寿命が長い!?
東北大学の研究では、ご自身の歯が多く残っている方は、健康寿命が長く、さらには要介護でいる期間が短いことが報告されています。
その差は 85歳以上でもっとも大きく、 歯が 20本以上ある方は、0本の方にくらべて健康寿命が男性は92日間長く、女性では70日間長い結果となりました。
要介護でいる期間は、男性で35日間短く、女性では55日間の差で短くなっていることがわかったのです。
(参照:東北大学PressRelease「自分の歯が多く保たれている高齢者は 健康寿命長く、要介護日数短い 」より) >
歯の健康を守ることは、歯やお口の状態をよくするだけではなく、身体の健康状態をよくすることにつながるのです。
歯で噛むことはなぜ大切なの?
健康な歯を残すということは、歯でしっかりと噛めるということです。
「噛む」ことは、私たちの身体にどのような効果を与えるのでしょうか。
歯やお口の健康
噛むことで唾液の分泌が促進されます。
唾液は、お口の中を浄化する作用があるため、むし歯や歯周病の予防になるのです。
脳の活性化や認知症の予防
神奈川歯科大学の研究によると、歯がない方は、20本以上の歯がある方とくらべて、認知症の発症リスクが1.85倍高くなることが報告されています。
(参照:J-STAGE 日本口腔インプラント学会誌-神奈川歯科大学「歯科から考える認知症予防への貢献」より) >
認知症は介護が必要となる要因となり、QOL(生活の質)を低下させることにつながります。
しっかりと噛むことで、脳へ十分な酸素や栄養がいきわたり、さらに脳への刺激となり、脳細胞が活性化するのです。
表情や発音
歯があると、噛むことや喋ることが不自由になりにくいのです。
お口やお口のまわりの筋肉を正しく使うことで、お顔のバランスや表情がよくなることにもつながるでしょう。
発音がしやすくなることで、コミュニケーションを楽しむことができます。
胃腸への負担を軽減
しっかりと噛むことができるため、食物が小さく粉砕され、消化器官への負担を減らすことができます。
さらに、噛むことは唾液の分泌を促進する効果もあり、消化や吸収を助けてくれるのです。
しっかり噛むことで満腹感が得られ、食べ過ぎの予防にもつながります。
体力の向上
歯が健康でよく噛めると、硬いものから柔らかいものまで、栄養に偏りなく食べることができます。
栄養状態が良好となるため、運動機能や筋肉量の維持・増進につながるのです。
歯を多く残すための予防歯科
歯を失う原因の第一位は、歯周病であることをご存じでしょうか。
(参照:厚生労働省e-ヘルスネット「歯の喪失の原因」より >
歯を多く残すためには、歯周病の予防が欠かせないのです。
歯周病の初期症状はほとんどないため、気が付いたときにはかなり進行していることも少なくありません。
さらに歯周病の恐ろしいところは、歯やお口の中だけでなく、全身へ悪影響をおよぼすことがあるのです。
歯周病を予防することは、身体の健康を守ることと直結していると考えられます。
歯周病になる理由
歯周病の原因は、細菌のかたまりである歯垢(プラーク)です。
磨き残しが多い方や、かみ合わせが悪い方は、お口の中の環境が整っていないため細菌が繁殖しやすい状態といえます。
歯垢(プラーク)が、歯と歯ぐきのすき間の「歯周ポケット」といわれる溝に溜まることで、歯ぐきが腫れて炎症し歯周病となるのです。
細菌に感染した歯ぐきは、治療をせずに放置していると、歯周ポケットがどんどん深くなっていきます。
最終的には歯を支える骨を溶かし、歯が抜け落ちてしまうのです。
歯周病になりにくいお口とは?
お口の中の細菌を減らすことができれば、歯周病になりにくい環境となります。
その方法は、予防歯科に取り組むことです。
定期的に歯科医院へ行き、クリーニングを受けると効果的に歯垢(プラーク)を取り除くことができます。
歯周病のチェックを受けることで、初期症状のうちに発見し早めの治療が可能となります。
そうすることで、歯周病の進行を食い止められるのです。
歯周病の進行と全身への悪影響
歯周病が進行すると、次のような全身の病気を発症させたり、重症化させたりすることがあります。
糖尿病
歯周ポケットに歯周病の原因となる細菌が繁殖し、炎症物質が血液中に入り込みます。
そして、血糖値を下げるインスリンの効きを悪くするのです。
糖尿病の方は歯周病になりやすく、歯周病の方が糖尿病になると血糖のコントロールに影響を与えるといわれています。
ただし、歯周病の治療を行うことで、血糖値が改善する傾向があることから、糖尿病の血糖コントロールに歯周病の治療が効果的なのです。
心疾患
歯周病原因菌の炎症が原因で、動脈硬化を促進させる物質が放出されます。
血管内にはプラークができ、血液の通り道が細くなるのです。
プラークが剥がれて血液のかたまりができることで、血管が詰まる原因となり、心筋梗塞や虚心症を発症することがあります。
脳血管疾患
脳の血管内にできたプラークが詰まることや、心臓やそのほかの血管からプラークや血のかたまりが脳血管内に飛んで詰まることで、脳梗塞となります。
心疾患と同じように、歯周病の原因菌が発生させる炎症物質が、動脈硬化を進めることが原因です。
認知症
認知症の中で一番多いのは、アルツハイマー型認知症といわれています。
九州大学の研究によると、アルツハイマー型認知症の原因物質であるアミロイドβは、歯周病菌によって産生・蓄積されることが報告されています。
つまり、歯周病が原因で認知症を進めてしまう恐れがあるのです。
(参照:九州大学 研究成果「世界初ヒト歯周病の歯茎で脳内老人斑成分が産生されていることが判明 〜歯周病によるアルツハイマー型認知症への関与解明の新展開〜」より) >
誤嚥性(ごえんせい)肺炎
お口の中に歯周病の原因である細菌が繁殖している場合に、誤って唾液や飲食物が肺に入ってしまうことで発症する肺炎です。
病気や障がいをお持ちの方や、ご高齢のため飲み込む機能が低下している方に起こりやすい病気です。
早産・低出生体重児
妊娠すると、歯周病にかかりやすくなるといわれています。
悪阻が原因で歯磨きが難しくなることや、食生活が変化することが理由です。
さらに、エストロゲンといわれる女性ホルモンの影響で歯周病菌が増殖することも、原因と考えられています。
徳島大学の研究によると、歯周病の妊婦では、そうでない妊婦とくらべて、早産・低出生体重児出産になる確率が7.9倍も高くなることがわかりました。
歯周病が発生する炎症物質が血液中に入り込むことで、子宮の収縮や陣痛を引き起こす原因となるのです。
(参照:J-STAGE 口腔衛生会誌-徳島大学 「妊娠期の歯周状態と低体重児出産のリスクに関する観察研究」より) >
予防歯科ってどんなことをするの?
歯科医院では、歯周病を予防し患者さまの歯の健康を守るために、さまざまな取り組みを行っています。
TBI
TBIは歯磨き指導のことで、Tooth Brushing Instructionを略しています。
磨き残しが多い箇所や、汚れが溜まりやすいところなど、プロが患者さまのお口の状態に合わせたアドバイスを行います。
歯磨きやデンタルフロス、歯間ブラシなどの選び方や使用方法についても改めて学べる機会です。
PMTC
歯垢(プラーク)や歯石の除去を行うことで、Professional Mechanical Tooth Cleaningを略してPMTCといいます。
細菌のかたまりである歯垢(プラーク)は、時間が経つと石灰化した歯石となります。
歯石は硬く歯の裏などに頑丈に張り付いているため、歯科医院の専門の器具を使用しないと取り除くことが難しいのです。
定期検診
定期的に歯医者に行くことで、歯やお口の中の状態をしっかりとチェックすることができます。
そうすることで、歯周病の早期発見・早期治療へとつながるのです。
健康寿命を守るために!予防歯科は「森山歯科医院」におまかせください
当院は高精度な予防ケアを行うための、予防先進国スイスの精密医療機器メーカーEMS社の「GBT認定クリニック」です。
エアフローなどの専用機器を導入して、患者さまお一人お一人に合わせた予防・クリーニングを提供いたします。
当院は京王井の頭線「久我山」駅北口から徒歩1分、駅チカで通いやすい歯医者です。
キッズスペースを設けているため、お子さまと一緒に来ていただいても待ち時間を楽しくお過ごしいただけます。
健康な身体を大切にするために、予防歯科に取り組もうとお考えの方はお気軽にご相談ください。
おすすめの関連記事
2024.10.16 [水]
歯の健康を守るために欠かせない【予防歯科とクリーニング】違いとは?
2024.02.15 [木]
大切な歯と全身の健康を守る!予防歯科の7つのメリット