こんにちは。
京王井の頭線「久我山」駅北口から徒歩1分の、【森山歯科医院】です。

インプラント治療を検討していると、「治療後どれくらいの期間使えるの？」と疑問を持たれる方もいらっしゃるでしょう。
天然歯のような見た目と使い心地をめざせるインプラントですが、長く使用するためには日々のケアや定期メンテナンスが欠かせません。

このコラムでは、「インプラントの寿命」と「長く快適にご使用いただくためのポイント」について解説します。

森山 明英　院長

森山 明英　院長

医院名：医療法人社団 信英会 森山歯科医院
所在地： 〒168-0082
東京都杉並区久我山５丁目８−２０ B1-C ポスタンド

インプラントは20年以上使用できるケースもあります

インプラント治療では、人工歯根を顎の骨に埋め込み、その土台の上に義歯を装着します。
固定した人工歯根が顎の骨から脱落してしまったときが、インプラントの寿命です。

厚生労働省によると、部分的または全部の歯を失った症例におけるインプラントの10～15年後の残存率は、上顎で約90%、下顎で約94%と報告されています。
さらに、患者さまを対象としたアンケート調査では、インプラントの使用期間として「20年」という回答が最多でした。

（参照：厚生労働省委託事業｜歯科保健医療情報収集等事業「歯科インプラント治療のためのQ&A」p3より）>

（参照：厚生労働省｜歯科インプラント治療指針「13．歯科インプラント治療と予知性」p13より）>

また、インプラント手術後20年経過した患者さまに行ったアンケート調査では、約78％の方が「問題なく使えている」と回答されています。

（参照：J-STAGE｜日本口腔インプラント学会誌31巻〈2018〉2号「20年以上経過したインプラント患者のアンケート調査」より）>

これらの調査結果から、インプラントは長寿命の義歯であることがわかるでしょう。
日々のセルフケアに加えて歯科医院での定期的なメンテナンスを行うことで、インプラントを20年以上使用できるケースはめずらしくないのです。

インプラントの寿命を縮める原因とは？

インプラントは正しいケアとメンテナンスを行うことで長期間使用できますが、さまざまな要因によって寿命が短くなってしまうこともあります。
ここからは、インプラントの寿命を縮める4つの原因について見てみましょう。

【原因1】インプラント周囲炎

インプラント治療後の代表的なトラブルの一つに、「インプラント周囲炎」があります。
インプラント周囲炎とは、歯周病に類似した状態で、インプラントの周囲に炎症が起きる病気です。
歯周病と同じように、磨き残した歯垢（プラーク）をエサに繁殖した細菌が原因で発症します。

インプラント周囲炎が進行すると、人工歯根が固定されている顎の骨にまで炎症が広がってしまうため、インプラントの脱落につながる可能性があるのです。
インプラント周囲炎を予防するためにも、定期的にプロによるクリーニングを受けましょう。
また、定期的にお口の状態をチェックすることで、インプラント周囲炎の早期発見にもつながります。

【原因2】かみ合わせのズレや歯ぎしりなどの癖

インプラントは、天然歯と構造的な違いがあります。
天然歯は、歯と顎の骨の間にクッションの役割をしている、「歯根膜」という組織を持っています。
一方、インプラントは歯根膜を持たないため、インプラントにかかった力が直接顎の骨まで伝わるのです。
その結果、人工歯根を支える顎の骨に過度な負荷がかかってしまい、インプラントの寿命を縮めることがあります。

特に、歯ぎしりや食いしばりなどの癖がある方や、かみ合わせがズレている方は注意が必要です。
歯ぎしりや食いしばりは、就寝中に無意識にしていることが多いため、自分では気づきにくい傾向があります。
これらの癖がある場合は、「ナイトガード」というマウスピースを使用することで、症状を緩和することが可能です。
また、かみ合わせのズレも負荷の原因になるため、定期的にかみ合わせのチェックを受けましょう。

当院のマウスピース製作>

【原因3】メンテナンス不足

インプラントは、一度治療すれば終わりというものではありません。
トラブルを予防しながら長期間使用するためには、治療後の定期メンテナンスが必要不可欠です。

ある研究によると、定期的にメンテナンスを受けていない場合、インプラント周囲炎の発症リスクが約2倍になることが報告されています。

（参照：J-STAGE｜日本口腔インプラント学会誌「定期的メインテナンスの有無とインプラント周囲炎発症についての症例対照研究」p64・69より）>

自分では異常がないと思われていたとしても、小さなトラブルが隠れているケースも少なくないため、定期検診はしっかりと受診しましょう。

【原因4】喫煙

タバコの煙に含まれるニコチンや一酸化炭素は、歯ぐきの血流を悪化させます。
その結果、インプラント周囲の組織が細菌に感染しやすくなり、インプラントの寿命に影響する可能性があるのです。

また、喫煙習慣のある方は手術後の治癒が遅れるだけでなく、人工歯根と顎の骨が結合しづらい傾向があります。
インプラント治療を希望されている方は、これを機会に禁煙することもご検討ください。

インプラントを長持ちさせるためのセルフケア

インプラントのトラブルを予防するためには、毎日のセルフケアが重要です。
天然歯と違い、インプラント自体がむし歯になることはありませんが、周囲の歯ぐきが炎症を起こすことがあります。
正しいケア習慣を身につけて、快適なインプラント生活を送りましょう。

正しい歯磨き

インプラントは天然歯と同じように、歯ブラシをつかった清掃を行うことができます。
毎日の歯磨きを丁寧に行い、インプラントや周囲の歯を清潔に保ちましょう。

ただし、毛先が硬すぎる歯ブラシを使用したり、強い力で磨いたりすると、インプラント表面に傷がつく可能性があります。
歯磨きの際には、毛先が比較的やわらかいものを選び、小刻みに軽い力で磨いてください。
また、就寝中は唾液の分泌量が減少するため、お口の中で細菌が繁殖しやすくなります。
寝る前は丁寧な歯磨きを心がけましょう。

歯間ブラシ・デンタルフロスの活用

歯磨きはケアの基本ですが、歯ブラシだけでは歯の歯の間の汚れが40％程度残ってしまいます。
歯ブラシの毛先が届かない箇所には、歯間ブラシやデンタルフロスの活用が効果的です。
これらの補助清掃器具を使用することで、歯と歯の間の汚れを80％以上取り除けることがわかっています。

（参照：神奈川県｜今日から始めるすき間ケア「毎日のむし歯・歯周病対策」より）>

「歯間ブラシやデンタルフロスの選び方や使い方がわからない」などお困りの方は、お気軽に当院のスタッフまでご相談ください。

インプラント治療後に歯科医院の定期メンテナンスが不可欠な理由

インプラントを安定した状態で長く使用するためには、日々のセルフケアに加えて、歯科医院での定期メンテナンスが重要です。
プロのチェックを受けることで、セルフケアでは見逃しがちな変化を早期に発見し、トラブルの予防につなげることができます。

インプラント周囲炎の早期発見

インプラント周囲炎は、初期の自覚症状が出にくいという特徴があります。
そのため、気づかないうちにインプラント周囲炎が悪化していることもあり、定期的にインプラントの状態をチェックする必要があるのです。

歯科医院のメンテナンスでは、歯ぐきやインプラントの状態を細かくチェックし、必要に応じてレントゲンやCT撮影も行い、インプラント周囲炎を早期に発見します。
インプラント周囲炎を初期段階で発見することで、インプラントの脱落リスクを低減することが可能です。

磨き残した汚れの清掃

歯磨きを丁寧に行うことは重要ですが、セルフケアだけで完全に汚れを取り除くことはできません。
また、磨き残した歯垢が固まってできる歯石はとても硬いため、歯磨きで落とすことは困難です。

セルフケアで取り除けない汚れや歯石は、歯科医院のクリーニングで定期的に除去しましょう。
定期メンテナンスでは専用の器具と薬剤を使用しながら、歯科医師や歯科衛生士がインプラント周囲の汚れも徹底的に取り除きます。

かみ合わせのチェック

インプラントに過剰な力が加わると、トラブルの原因になります。
定期メンテナンスでは、かみ合わせがズレていないか、インプラントに強い力がかかっていないかを確認します。
必要に応じてかみ合わせの調整を行うことで、インプラントや顎にかかる負担を軽減することが可能です。

セルフケアの指導

定期メンテナンスの際には、歯科衛生士がお一人お一人のお口の状態に合わせたブラッシング指導や、清掃補助具の使い方を丁寧に説明します。
プロのアドバイスを受けることで、セルフケアの質がグッと向上するでしょう。
清潔な口腔環境を保ちやすくなり、インプラントの寿命を延ばすことにつながります。

正しいセルフケアと定期メンテナンスでインプラントを長く快適に使用しましょう

インプラントを長く快適に使用するためには、正しいケアと定期メンテナンスが欠かせません。
インプラント治療後も定期的に通院する必要があるため、通いやすい歯科医院を選ぶこともポイントです。
久我山の【森山歯科医院】は、京王井の頭線「久我山」駅北口から徒歩1分の立地で、インプラント治療後の定期メンテナンスにも通いやすい歯医者です。

予防ケア専用の「PMTC専用治療室」や「デジタルレントゲン／歯科用CT」など、充実した治療環境を整えております。
インプラント治療をご希望の方は、お気軽に当院までご相談ください。

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